発刊:2022年7月7日
価格:2,750円(税込)
判型:B5判
頁数:128頁
ISBN978-4-907083-77-9 C004

目次
特集
日本版NbSデザイン
生物多様性を活かした地域・環境づくり
愛植物設計事務所 編

6 巻頭言「日本版NbSデザインとランドスケープ」 趙 賢一
12 「コモングッドの環境を創造する」 糸長浩司

 

Part 1 いきものと人
16 世界自然遺産「やんばる」の自然を体験 ビオスの丘
20 世界遺産小笠原諸島唯一の都市公園 都立大神山公園
24 旧御料地に温存された自然の継承とふれあい 那須平成の森
28 湧水湿地再生と歩んだ30年 石神井公園三宝寺池沼沢植物群落
32 生物多様性の保全再生と利用促進 都立公園

Part 2 都市緑地と人
38 子どもたちに引き継ぐ苗木生産、森づくりの20年 東京都海の森公園
42 国体会場から公園へ、2段階の森づくり 沖縄県総合運動公園
46 市民と水郷地帯の植生を復活させた20年 東京都立水元公園水辺のさと
50 企業有地から地域住民の憩いの場へ 杉並区立柏の宮公園
54 サクラの名所を未来につなぐ 埼玉県大宮公園
58 歴史が息づく参道古木の保護と再生 東京都府中市馬場大門のケヤキ並木
62 土木遺産の新たな価値と緑地づくり 玉川上水

Part 3 緑と心
68 復興と追悼の想いを寄せた官民共同の杜づくり 石巻南浜津波復興祈念公園
72 みどりの精神衛生機能を造園植栽に活かす 特別養護老人ホーム あさひ苑
76 グローバル企業の施設整備と砂丘植生の再生 鳥取県井手ケ浜
80 動態的管理による地域に開かれたエコキャンパス 日本工業大学
84 日本植物学の父・牧野富太郎の偉業にふれる庭 牧野記念庭園

Part 4 地域との関わり
88 絶滅危惧種ツシマヤマネコの生息環境の回復 長崎県対馬市
92 地域が支える伝統技術の継承とエコミュージアム構想 岡谷蚕糸博物館
96 海外スタッフ通信 ハンガリーの公園計画

ミニ連載
104 ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期㉙ 高荷洋一
108 女性と写経③ 久能寺経 恵美千鶴子

連載
112 動物たちの文化誌㉞ 動物園での40年  早川 篤
120 欧州グリーンインパクト⑪ フランスの日本庭園 遠藤浩子

著者プロフィール

山本紀久
愛植物設計事務所会長。1963年に東京農業大学造園科卒業後、第一園芸造園部などを経て1973年に愛植物設計事務所を設立。造園植栽に関する調査から計画・設計、監理まで携わり、現場から発信する。日本造園学会賞を「沖縄県観光修景緑化計画調査他一連の造園植栽設計計画調査」(1982年、調査計画部門)、「造園植栽術の著作」(2015年、特別賞)、「介護老人福祉施設『あさひ苑』のランドスケープ」*(2020年、事業・マネージメント部門)で受賞。1997年黄綬褒章。2019年に上原敬二賞。著書に『樹木アートブック』『街路樹』『造園植栽術』などがある。

趙 賢一
愛植物設計事務所代表取締役。1956年千葉県生まれ。筑波大学農林学類卒業、1981年入社。2004年より現職。植物を基軸とする生態系の調査・解析・評価をもとに土地の資質を読み取り、自然環境や生物多様性の保全・活用に関わる各種の計画立案を得意とする。「石神井公園三宝寺池沼沢植物群落」*、「玉川上水」*などの多くのプロジェクトに、10年単位の長い期間かかわり見続けている。ツシマヤマネコ生息域内委員会委員。分担執筆に「港湾と海浜地」(『自然環境の保全と緑化』)「ツシマヤマネコの交通事故対策」(『絶滅危惧種の生態工学』)などがある。

佐藤 力
愛植物設計事務所取締役、調査計画部長。1971年東京都生まれ。明治大学農学部卒業、1994年入社。植物や植生を中心とした自然環境調査、生態系の解析評価、およびこれに基づく保全・再生計画、街路樹や都市樹林などの維持管理計画、市民協働による公園維持管理のコーディネートなどに従事。

山野秀規
愛植物設計事務所取締役、設計計画部長。1972年神奈川県生まれ。明治大学農学部卒業、1994年入社。「ダイキンアレス青谷」*では、計画・設計・監理・管理監修で14年携わり、現在も継続中。主な仕事に「パークシティ浜田山」(植栽計画・設計・管理監修)、「TRI-7 Roppongi」(外構計画・設計・監理)など。

石塚美詠
愛植物設計事務所企画総務部長。1966年福島県生まれ。千葉大学園芸学部卒業、1990年入社。主な仕事に「杉並区柏の宮公園」(計画・設計)*、「善福寺川水鳥の棲む水辺創出行動計画」、「東京都保全地域の保全・活用プラン策定調査」など。

森野敏彰
愛植物設計事務所調査計画部次長。1977年大阪府生まれ。千葉大学大学院自然科学研究科修了、2006年入社。主な仕事に「石神井公園三宝寺池沼沢植物群落」*や「牧野記念庭園」*などの文化財調査・保全管理計画、「那須平成の森モニタリング調査」など。

丸山英幸
愛植物設計事務所設計計画部。1957年新潟県生まれ。東京農業大学農学部卒業、1989年入社。主な仕事に「日本工業大学」*(計画・設計・植栽管理指導)、「神代植物公園防災実施設計」、「愛宕グリーンヒルズ」(外構設計・監理)など。

高林則之
愛植物設計事務所設計計画部。1962年東京都生まれ。東京農業大学農学部卒業、1986年入社。「都立大神山公園」*では、調査から計画・設計まで長年にわたり関わる。主な仕事に「狭山公園生物多様性保全整備設計」、「みちのく潮風トレイル災害復旧設計」など。

渡邊幸太
愛植物設計事務所設計計画部。1988年東京都生まれ。千葉大学大学院園芸学研究科修了、2013年入社。主な仕事に「石巻南浜津波復興祈念公園」*(計画・設計)、「杉並区柏の宮公園拡張区域」*(計画・設計)、民間施設などの外構植栽設計・植栽管理監修、国立公園の園地設計など。

遠藤浩子
造園家・ガーデンライター。東京出身。慶應義塾大学卒業後、エコール・デュ・ルーヴルで美術史を学ぶ。庭園の世界に魅せられ、ヴェルサイユ国立高等造園学校およびパリ第一大学大学院にて歴史的庭園と景観コース修了。現在フランス在住。