発刊:2023年7月10日
価格:2,750円(税込)
判型:B5判
頁数:128頁
ISBN978-4-907083-83-0 C0040

目次
特集
世界の茅葺きの新潮流
復活する循環と再生のための建築
企画監修:安藤邦廣+日本茅葺き文化協会

巻頭言 国際的な視野で茅葺きの未来を拓く 安藤邦廣

Part 1 海外の茅葺きの新潮流
イギリス 伝承文化としての茅葺きとクラフトマンシップ アンドリュー・ラッフル+トム・アラン
デンマーク 新しい茅葺き市場とヨシ原再生への取り組み ヤーン・カールップ
スウェーデン 茅葺き最北の地の多様な技法とその継承 マイケル・アンデルセン+イェスパー・ヨハンソン
オランダ 低湿地の国で時代をリードする茅葺き ヨースト・クリューヘル
ドイツ 無形文化遺産に登録されたギルドの持続のために ヨアヒム・シュルッター
南アフリカ 多様な民族文化の継承と海外展開への戦略 アブリー・ヴィサージュ

Part 2 日本の茅葺き
56 伊勢神宮の茅葺きに見る循環と再生の建築 安藤邦廣
60 日本茅葺き紀行 地域性豊かな形と技 安藤邦廣
74 茅葺きを選択する時代に 相良育弥
78 茅葺き職人として生きること、その未来 松木 礼

Part 3 茅葺きの国際比較
82 パネルディスカッション 茅葺きのつくる共同性と持続可能な社会
90 欧州と日本の茅葺き防耐火 茅葺きを守り、人の暮らしを守る 水上点晴
94 世界の茅葺きデータ

ミニ連載
ヴィンテージアナログの世界㉝ 高荷洋一
装飾料紙と書④ 平家物語(模本) 惠美千鶴子

連載
動物たちの文化誌㊳ ニュースな動物たち 早川 篤
欧州グリーンインパクト⑭ 癒やしのための庭 遠藤浩子

 

現代建築の技術とデザインを取り入れたバードウォッチング施設(オランダ) 高級リゾート地ジルト島にあるオメガの店舗も茅葺き(ドイツ) 研修中の未来の茅葺き職人(デンマーク)

 

著者紹介
アンドリュー・ラッフル Andrew Raffle:イギリス茅葺き職人協会理事、ITS事務局、茅葺き職人。

ヤーン・カールップ Jørgen Kaarup:デンマーク茅葺き協会元事務局、ITS元事務局、環境保全の取り組みに関する調査員。

マイケル・アンデルセン Michael Andersén
スウェーデン茅葺き協会会長、ITS理事、Byggnadshantverk社代表、茅葺き職人、大工。

ヨースト・クリューヘル Joost Kruger:オランダ茅葺き協会代表、ITS会長、元茅葺き職人。

ヨアヒム・シュルッター Joachim Schröter:ドイツ茅葺き協会元理事、ITS元理事、茅葺き職人。

アブリー・ヴィサージュ Abrie Visagie:南アフリカ茅葺き協会理事、ITS理事、JNA グループテクニカル・ディレクター。

安藤邦廣:建築家、筑波大学名誉教授、日本茅葺き文化協会代表理事。1948年宮城県生まれ。専門は日本の木造伝統技術、茅葺き民家や小屋と倉の研究、板倉構法の技術開発とデザイン。日本建築学会賞(論文)2011年。著書に『日本茅葺き紀行』『小屋と倉』など。

相良育弥(さがら・いくや):1980年生まれ。株式会社くさかんむり代表取締役、茅葺き職人。兵庫県神戸市北区淡河町を拠点に、空と大地、都市と農村、日本と海外、昔と今、百姓と職人のあいだを草であそびながら、茅葺きを今にフィットさせる活動を展開する。主な受賞に、神戸市文化奨励賞(2015年度)、地域再生大賞優秀賞(2019年度)、日本文化藝術財団創造する伝統賞受賞(2022年度)など。

松木 礼(まつき・れい):茅葺職人、茅松代表。2006年弟子入り、2015年に独立。茨城県つくば市を拠点に全国で屋根葺きに携わる。茅場の保全、再生活動を通じて、火入れや植物観察会を行い、専門家と共に火入れ文化の継承や生物多様性の保全にも取り組んでいる。

水上点睛(みずかみ・てんせい):国立研究開発法人建築研究所研究員。糸魚川市街地火災や首里城などの火災調査を通じて、古くて新しい歴史的建築物の防火対策に取り組んでいる。