発刊:2016年1月7日
価格:2,500円(+消費税)
頁数:
128頁(カラー72 頁)
ISBN 978-4-907083-32-8 C0040

健康寿命を中心にすえたまちづくり
生命福祉コミュニティ宣言! 2

「健康寿命の延伸」による持続可能な社会づくりをテーマに、地元の医師と企業経営者が連携した地域医療の活性化をめざす日本医師会の取り組みや、子どもの食育、がん予防のための疫学的アプローチ、ロコモシンドロームやフレイル(虚弱)を防ぐ運動の効果、健康な身体をつくる「食」の科学的研究など、すぐに役立つ最新情報を満載。

小説家の海堂尊と今村聡・日本医師会副会長による特別対談も収録!

目次
8 巻頭言 医療とは何か まちづくりの中心として 横倉義武(日本医師会会長)
16 地域ぐるみのがん予防 廣畑富雄(九州大学名誉教授)
26 小学校における食育が沖縄の未来を変える! 田名 毅(沖縄県医師会理事)
33 特別対談 市民社会の安全保障としての「医療防衛」 海堂 尊(小説家)+今村 聡(日本医師会副会長)
46 公益資本主義と健康経営 原 丈人(アライアンス・フォーラム財団代表)
50 健康寿命の延伸へ 企業・地域は何ができるのか 大久保秀夫(株式会社フォーバル代表取締役会長)
56 健康長寿をおびやかすフレイル、ロコモと運動 原田 敦(国立長寿医療センター病院長)
61 健康卓球で健康寿命延伸をめざす 岡山慶子(朝日エルグループ会長)
64 メディカフェ医憩場の試み 自見はなこ(健康寿命プラットフォーム協会代表理事)
71 健康寿命を延ばす生命食のすすめ 丹羽真清(デリカフーズ株式会社・デザイナーフーズ株式会社社長)
78 新たな地域医療の創出 21世紀のプライマリ・ヘルス・ケア 伊藤憲祐(NPOプライマリ・ヘルスケア研究所顧問)
86 対話がつなぐ医療とアート 病院のためのアート計画最前線 田中孝樹(アールアンテル代表取締役)
ミニ連載
92 ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期 ⑧_高荷洋一
96 近代数寄者と書② 高橋箒庵と「寸松庵色紙」_恵美千鶴子連載
100 動物たちの文化誌 ⑬ ニホンザルと日本人_早川 篤
108 Art for Humanity ⑩  アートで過去と現在をつなぐ_倉林 靖
116 コミュニティデザイン学科通信 ② 習うより、慣れよ_出野紀子

著者紹介


横倉 義武(ヨコクラ ヨシタケ)
公益社団法人 日本医師会会長。1944年福岡県生まれ。久留米大学医学部卒業後、同大学医学部講師、西ドイツ・ミュンスター大学教育病院デトモルト病院外科留学を経て、1990年より医療法人弘恵会ヨコクラ病院院長。福岡県医師会会長、日本医師会副会長を歴任し、2012年第19代日本医師会会長に就任、国民とともに歩む医師会活動に取り組む。
廣畑 富雄(ヒロハタ トミオ)
九州大学医学部名誉教授。専門はがんの疫学で、がん予防の疫学的研究に長く携わる。日本疫学会初代理事長、国際連合高等科学専門官、ハーバード大学客員教授などを歴任。国際栄養学会(1993年、オーストラリア)でのシンポジウム「栄養面からのがん予防」の共同座長などを務める。著書に『食事しだいでがんは防げる』など。田名 毅(タナ タケシ)
首里城下町クリニック第一・第二理事長。琉球大学医学部、九州大学医学部大学院(医学博士得)。琉球大学勤務後に2001年よりクリニックを開業。総合内科、高血圧、透析医療の各専門医。那覇市医師会理事として生活習慣病・慢性腎臓病対策、沖縄県医師会理事として災害救急・医療事故調査制度を担当。海堂 尊(カイドウ タケル)
1961年生まれ。医学博士、作家。独立行政法人放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院Ai情報研究推進室室長。千葉大学医学部卒業。同大学院医学系研究科博士課程修了。2006年作家デビュー、『チーム・バチスタの栄光』で第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞。死因究明へのAi導入を訴えた『死因不明社会』で科学ジャーナリスト賞受賞。今村 聡(イマムラ サトシ)
1951年生まれ。医学博士、日本医師会常任理事。秋田大学医学部卒業。三井記念病院、神奈川県立こども医療センター、浜松医科大学(講師)などを経て、91年より医療法人社団聡伸会今村医院院長。診療の傍ら、板橋区医師会副会長、東京都医師会理事などを歴任し、2006年より現職。日本医師会の総務、経理、税制、産業保険などを担当。原 丈人(ハラ ジョウジ)
アライアンス・フォーラム財団代表。27歳まで考古学研究を行い、光ファイバー事業会社を創業。90年代、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストに。米英Israelで情報通信、ライフサイエンス分野のベンチャー企業を世界的企業へと成長させた。デフタパートナーズ グループ会長、WAF@SFO再生医療会議議長、内閣府本府参与、大阪大学医学部招聘教授。大久保 秀夫(オオクボ ヒデオ)
株式会社フォーバル代表取締役会長。1980年25歳で起業。1988年、日本最短記録(当時)で株式を公開。同年、社団法人ニュービジネス協議会「第1回アントレプレナー大賞」を受賞。東京商工会議所特別顧問、公益財団法人CIESF(シーセフ)理事長、一般社団法人公益資本主義推進協議会会長。最新刊『捨てる勇気』など著書多数。

原田 敦(ハラダ アツシ)
国立長寿医療研究センター病院長。名古屋大学医学部整形外科、国立療養所中部病院などを経て、2004年より同センター勤務。2014年より現職。日本整形外科学会代議員、日本老年医学会評議員、日本骨粗鬆症学会評議員、日本転倒予防学会理事などを務める。「ヒッププロテクターによる大腿骨頚部骨折の予防」により、2001年第3回日本骨粗鬆症学会賞。

岡山 慶子(オカヤマ ケイコ)
株式会社朝日エルグループ会長。健康・医療・福祉、保育・育児、女性の支援などをテーマに社会貢献と企業のマーケティングの融合をはかるプロジェクトを推進。日本のピンクリボン創始メンバー。著書に『ピンクリボン咲いた! 認知率95%のひみつ』など多数。

自見 はなこ(ジミ ハナコ)
一般社団法人健康寿命プラットフォーム協会代表理事。小児科専門医、認定内科医。東海大学医学部卒業後、東京大学医学部小児科、青梅市立総合病院小児科勤務を経て、虎の門病院小児科勤務(現在非常勤)、池上総合病院(非常勤)。日本医師会男女共同参画委員会委員、NPO法人日本子育てアドバイザー協会理事。趣味はマラソン。

丹羽 真清(ニワ マスミ)
デリカフーズ株式会社・デザイナーフーズ株式会社代表取締役社長。野菜ビジネスで健康寿命を平均寿命に近づけ、日本を健康にしたいと考え、1998年に野菜を分析研究する機関として、デザイナーフーズを創設。野菜分析の膨大なデータと科学的根拠に基づいた研究で、外食産業が「食の病院」に、量販店が「食の薬局」になるための情報提供、企画提案、商品開発を行う。著書に『おいしいものは体にいい』など。

伊藤 憲祐(イトウ ケンユウ)
NPOプライマリ・ヘルス・ケア研究所顧問、あやめ診療所長。東京大学秋山弘子教授(老年学)主宰・超長寿社会のあり方を考える会・代表幹事。社会システム・デザイナー。NGOシェア(国際保健協力市民の会)代表アドバイザー。未来医療研究機構代表補佐。PHCを21世紀の日本社会に普及し、共有価値化するために開発教育やケアリング教育に取り組む。

田中 孝樹(タナカ タカキ)
株式会社アールアンテル代表取締役。専門はロダン研究とパブリックアート論。株式会社現代彫刻センター勤務を経て、2005年より現職。企業・自治体・美術館とアーティストとをつなぎ、多くのパブリックアートを実現。近年は、まちづくり全体からのアプローチも多い。ロダン研究の専門家として知られ、「モホイ=ナジ」展など、展覧会企画も多数手がける。女子美術大学非常勤講師。